ゲイのヤングケアラーの末路① ~ヤングケアラーの作り方教えます~
ヤングケアラーと言う言葉が最近、出てきました。
ゲイのカウンセリングで以前、しました。
その実例を。
Nくん=17歳、ゲイ、健常者。 半年前に高校中退。
N君の両親=全盲。生活保護。
慎ましく生きてきた目の見えない夫婦に、
健常者の子供Nくんが生まれた。
親からすれば、Nくんが社会との唯一の架け橋。
幼い頃から、親が
「今日は天気がいいから散歩に行きたい」 と言えば、
Nくんは学校を休み、散歩に付き添う。
だから小・中学校もほとんど行っていない。
Nくんには昔から友達がいない。
義務教育の学校は通えるが、文房具だってオンボロ。
友達同士で遊ぶと言っても、今時はゲーム機が必要。
勉強も追いつかない。
Nくんにとって友達も学校も、孤独を味わう場所だった。
私はNくんに聞いた。
「高校辞めたら時間あるでしょ。バイトとかしないの?」
「そのうち考えなきゃ、ですかーねー」
と心ない返事。
全盲の両親は 昔から働いていないので、
働かない=お金が貰えるが常識。
N君を働かせる、と言う意識は無い。
N君が家に居れば、全盲でも自由に外出できる。
親が子の将来を奪い、子はその状況に気づけない。
Nくんはこの境遇に疑問を感じていない。
むしろ幸せであった。
「ウチの家族、外出大好きなんです。
昨日は駅の近くまで買い物に。本当に親は嬉しそうな顔で」
買い物と言っても、洋服や洒落たレストランに使うお金は無い。
スーパーで割引シールの食材を探すだけ。
それでもNくん一家の幸せな時間。
外の世界は、自分を攻撃するばかり。
お金がかかる場所=自分が立ち入ることができない場所。
外に居れば居るほど孤立感。
親の面倒を見ていれば、親に感謝される。
「周囲からは仲の良い親子、孝行息子」と褒められる。
狭いボロアパートでも、彼にとっては守られた楽園。
ヤングケアラーの典型のようなNくん。
続きます