LGBTのがん治療① LGBTカップル特有の問題~前編~
『2人に1人はがん』はマチガイ、
って知ってます?
ホントは
女性45%、
男性65%、
だから男は3人に2人。
多くのがん患者を見てきました。
ほとんどの人が家族の支えで、
やっと治療します。
LGBTならどうなるんだろ?
一人で戦えるんだろうか?
Nさん:38歳ゲイ、S県在住、末期がん
原発巣:大腸、経過不良で転院あり。
同性パートナーはTさん(27歳)。
〜1つ目の病院:がんセンター〜
Nさんはゲイを隠し、
1人暮しの設定で治療。
同棲パートナーTさんを
『近所に住む会社の後輩』とした。
Nさんはがんを機に、
親との距離を縮めようとした。
大学の時にカミングアウトに失敗、
その後両親とは絶縁状態だから。
手術当日、実父が来た。
書類事務、主治医に挨拶だけ済ませ、
麻酔から目が覚めるともう帰った後。
Tさんは本当は毎日、
せめて洗濯物の交換だけでも訪れたい。
けれど
『近所に住む会社の後輩』は10日間の入院中、
3回しかお見舞いに行けず。
その後、抗がん剤治療。
経過は悪く、ついに余命宣告。
〜2つ目の病院:市内の中堅病院〜
「どうせあと半年の命なら」
自宅からも会社からも近い病院に転院。
今度は主治医や看護師に
『Tさんが同性パートナー』と紹介。
主治医は「女性病棟が良いのかな」など
変な気遣い(?)もあったが、
もちろん男性病棟。
Tさんとの関係は病室内で有名。
白い目もあったが、
今度は毎日、お見舞いに来れる。
会社から近いので、同僚も時々来た。
何がきっかけなのか、
『Nさんがゲイ』だと会社にバレた。
「会社の連中と顔を合わせられない。
どうせ余命半年」
Tさんの反対をよそに、Nさんは辞職。
続きます。
がんになると、
病気と戦い、気持ちと戦い、お金と戦う。
LGBTは、更に
『性差別との戦い』が加わる。