ゲイの金融コンサルタントのぶっちゃけ日記

LGBTの社会保障。あまり語られてこなかった分野を、日本TOPレベルの金融コンサルタント&カウンセラーとして紹介します。 と言っても、好き勝手な人生を歩む中年オヤジなので、ゆる~く・のんびり・正直に書きます。

がん告知を受けた若パパ

「がん、って言われちゃいました」
久々のお客様Aからの電話。

Aさんと会った5年前、当時34才。
31歳で娘出産、新居購入した若パパ。
学資保険を中心にしたFPでした。

当時、私が言ったのは、
「学資=貯蓄もいいが、マイナス金利では不利。
40代になれば嫌でも保険を考える。
若い今の方が安価。万一でも家族を守れる」
しかしAさんは
「会社で入ってるから大丈夫」
 ※Aさんは一部上場の大手メーカー勤務


このパターン、とっても多いです。
Aさんはストレートですが、
LGBT、特にGBはこの傾向。



急遽、数年ぶりにAさん宅に再訪問。
Aさんの勤務先保険を確認。

Aさんの場合、
がん診断で200万円、入院1日3万円。
一見立派に見えるし、大体の人がこんなもん。

実際は、
今どき、がんの入院はせいぜい1〜2週間。
治療は数年かかるが、ほぼ通院。

治療費+生活補填(傷病手当の不足分)で
200万円では半年で消える。
 ※傷病手当は給料2/3以下

 

年間200人以上の保険を見ている私からみて、
Aさんはまだマシな保険設計。
日本人の半数+αが、こんな感じ。
現在の医療、老後設計まで考えて、
ちゃんと安価に抑えているのは、せいぜい0.5%。

 

 

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がん治療の医療費そのものは決して高額ではない。働けなくなること、副作用で生活崩壊することなど、副次的にお金がかかる




私はAさんにがん治療の現状、治療のコツ、
Aさんの現状を説明した。
絶望の表情が少しづつ和らいだのが
見て取れた。

「自分だけは、ならないと思っていた」
大病をした人が必ず言う言葉をAさんも。



それから9ヶ月後、
Aさんから住所変更書類が届いた。
引越し先はアパート名。
住宅を売ったのか???


「あの時、もっと強く保険を勧めるべきだったのか」
無理な営業をしない私の、
毎回悩む点です。