最近、サポートしていたがん患者の話。
3部作の2話目。
Yさん:男性58才、ストレート、妻子あり
■2020年10月上旬
Yさん、単身赴任先から帰宅。
会社は辞めずに済んだ。
傷病手当、労災申請も知らないようなので、
私がアドバイス。
妻は、初歩的な事務処理さえ
「わからない、わからない」を連発。
部外者の私が、無理やり申請させた。
帰宅翌日、地元の大病院に転院。
今度の病院は、実情も伝えてくれた。
「今年の冬を越せるかわかりません」
Yさん夫妻、無言で帰宅。
息子さんが気を遣い、家に入れる生活費を
毎月2万円から5万円に増やしてくれた。
「『お金、お金』という妻に見かねたらしい。
新入社員なのに5万円なんて、、、」
Yさんは自分を責めるように、悔しそうに言った。
■2020年10月下旬
3回目の抗がん剤。
副作用が本格的に出るのはこの頃から。
Yさんも髪が抜けるなんて序の口。
2秒に一度のしゃっくり、
食事中に何度もむせ、というか
飲食できない。
下痢どころか、朝起きたら寝うんち。
急な発熱、急な血圧低下も頻繁だが、
2〜3時間後には普通に戻る。
Yさん妻は病状を怖がり、
看病を拒否する日もあるようだ。
代わりに息子が土日、世話に明け暮れた。
お気づきかもしれません。
がんの恐怖は、
病気そのものだけではなく、
お金、社会・周囲の理解なども大きい。
一人暮らしの多いLGBTには切実です。