先週お会いしたお客様の話が、
LGBTとしてグサッと来たので
72歳・男性Sさん。
年齢より若く見えるダンディ、結婚歴なし。
社会人時代は何度か転職、中堅企業の営業メイン。
住まいは都内の駅近マンション。
私はクローズで仕事しているので、
Sさんも全ては語りませんが、たぶんゲイ。
若い時は、遊んでばっかりだよ。
周りに貯金を勧められたり、
保険屋や証券マンを紹介されても、
一生独身って決めていると、ピンと来なくて。
30代半ばになると、
周囲は子供の話か住宅購入の話ばかり。
飲み会でも肩身が狭いし、会話もわからない。
だんだん周りと距離を置く自分がいた。
今は同僚も学生時代の仲間も、付き合いが無くなった。
ストレートは子供と言うトリガーがある。
女性30代半ばが、初産の一般的な限界。
できちゃった婚を避けるなら30歳には結婚。
子供がいれば広い家も欲しい。
と逆算していくと、
20代後半で、学生気分から現実に帰るのがストレート。
同じ年の人が、同じ悩みを持つから情報交換しやすい。
『ヤリチン』で有名だった後輩が結婚してね。
焦って、38歳でこのマンション買った。
ローンも35年ってことは73歳まで。
『それまで働けるんだろうか』
って時々考えたが、
いつも『なんとかなる』で終わっていた。
結局、退職金で残債を完済。退職金は0。
老後資金は『マンション売れば』と思っていたが、
築34年のマンション、買う奴はいないよ。
一般に30～40年で大規模修繕が必要。
小～中規模マンションで100～500万円。
中～大規模マンションで500～1000万円。
タワーマンションなら、その2～5倍。
マンション購入は、主に30代。
60代で定年退職後、収入が激減してから大規模修繕。
60～70代の住民なら、
多少、水道の出が悪くても、
外壁が剥がれていても、
マンション資産価値が下がっても、
「自分たちが死ぬまで居られれば良い」
と考えるのが普通だ。
だから大規模修繕には応じないし、
そもそも払えない。
売れないし、売ったら住む場所はない。
マンションが急増したのは1970年代後半。
これから日本中で大規模修繕ラッシュになる。
私の人生はいつも行き当たりばったり。
先の計画立てたことなんかなかった。
先々を調べもしなかった。
好きなことした報いかね。
Sさんは団塊の世代。
一般に、年金だけで生活できる最後の世代。
但しそれは、夫婦2人の年金合算が前提。
独身のSさんは、そもそも足りない。
団塊の世代でも、配偶者が死ねば年金は大きく不足。
子が支払う。
あなたの親、あと何年かしたら、
あなたが強制的に支払わされる可能性・大です。
保険は毎月2万も3万も払ってた。
死亡保険とか入院、あんなの必要だったの？
年金生活で払えなくて、3年前に解約したよ。
介護とか、通院とか、障害者とか、痴ほうとか、、、
今はそういう保険もあるんでしょ。
親も兄弟ももう死んだけど、甥や姪はいる。
そっちに請求されちゃうんでしょ、今の時代は。
それが困っている。
Sさんは30代から、上述の保障系保険のほかに
個人年金＆外貨建保険に毎月4〜5万円を支払っていた。
高額だし、当時はとても高利率。
それも受取は今年まで。
ちなみに今はマイナス金利、
個人年金や外貨建保険、預金は金融的にはNG。
勧める金融マン、あなたを食い物にしてるだけです。
Sさん、72歳の今でも清掃のバイト。
バイト代が無くなったら、生活できない。
生活保護ならマンション売却が必須だが、売れない。
そもそも今や、年金不足位では生活保護は通らない。
ある日突然、死ねたら嬉しい。
でも現実に、交通事故や突然死って、
私の周りで聞いたことがない。
72歳にしてはイケメン、持ち家なSさん。
同世代にはうらやましがられるだろう。
なのに何度も何度も、自分を責めていたのが印象的。
健康に気なんか使わなくても、
多少病気しても、結局、この年齢まで生きる。
そんなの、本当はわかっていた。
老後の準備が必要なのも、本当はわかっていた。
若い時、もう1万やそこら、本当は捻出できた。
私の人生、何だったんだかね。。。
「本当はわかっていた」と繰り返すSさん。
私にはズサズサ来ました。
LGBTは先が見えない不安にさいなまれているのは
あなたも、私も同じ。
「不安だから、見ないふり。。。」
自分の人生、考えちゃいました。
あなたはどうですか？
