■実例:Cさん(レズビアン/43才)■
Cさんは33才の時、大手生保会社Dの保険(毎月2.2万円の保険料)に加入。
「死亡保険は興味ないです。2.2万円は高いけど積立ならば」と契約。
Cさんの夢は海外ウェディング。
そろそろ貯金を始めようと思っていたのでタイミング良い。
「自分では貯めるのは難しい。毎月2.2万なら10年で…」
と内心、夢を膨らませていたそうだ。
ある日、生保会社Dから電話が来た。
「来月で更新です。保険料は約4万円になるので見直しましょう」
「4万円?更新? 終身ってずっと変わらないんじゃないの?」
慌てて、私に相談した次第。
Cさんの保険を強引に分類すると、こんな内容でした。
(わかりやすくするため、かなりデフォルメしています)
商品名は「~終身保険」(*1)。
「積立」という、日本人が大好きなキラーワードまでついています。
「誰がどう見ても、一生モノ(終身)でしょ」
…そうとは限りません。
主契約(*2)は終身保険(※3)、毎月の支払は100円(※4)。
この100円だけが終身=一生モノ、積立(10年で貯まるのは約1.2万円だけ)です。
残り21,900円(※5)は特約(※6)、10年間(※7)期間限定(=定期保険=掛捨)で上乗せした、いわばオマケです。
「実質は掛捨ばっかり。なのに積立・終身ってオカシイ!」
掛捨が保険料の99%以上を占めていても、法規上は終身保険。
「~終身保険」と言う表記は正しいのです。
「商品名はキャラメルだけど、オモチャのオマケが目当て」に似てますね。
「更新? 4万円に値上がり? 私は騙されたの?」
特約=定期=掛捨の保険は期間終了しました。
更新とは新しい年齢で保険に再加入すること。
10年後にはリスクが高まるので、保険料は2倍=4万円です。
…納得できましたか?
これが日本の保険業界の常識です。昔も今も。
売上上位の会社のほとんど、あの超有名企業も、大抵はこんな保険ばかりです。
■プロの視点■
それにしてもスゴい内容!
Cさんが死亡すると、実兄(受取人)が1億円(※8)の大儲け。
同性パートナーが受取人ならまだしも、
お兄さんはその保険金が必要なんでしょうか?
ちなみに、ほとんどの保険会社は同性パートナーを受取人指定できない。
(受取人指定が可能な会社もあります)
そもそもLGBTsカップルは、互いに自立していることが多い。
死亡保険は必要なのでしょうか?
もっと言えば、元気なCさんに『30代限定の死亡保険や介護保険』、
必要ですか?
この保険、LGBTsに合うでしょうか?
■対策:終身保険■
もし私がCさんの保険を設計するなら、終身保険中心に設計したでしょう。
例えば、同じ毎月2.2万円の保険料なら、ここまで提案できます。
保険料の値上げナシ、むしろ現役(65才)過ぎたら支払終了。
でも保障は一生同じに続く。
さらに老後には、500万円以上の貯蓄(=年金)ができている。
もちろん最新の医療に対応できるので、
他人に迷惑かけたくないLGBTsとして安心な医療保障も含みます。
今回は保険業界の悪い例を紹介しましたが、こんな保険だけではありません。
正しく設計すればしっかりリスク回避できるので、LGBTsには必要です。
さらに資産運用にもなります。
ストレートももちろんですが、
LGBTsは特にしっかり自分の保障=将来の安心を考えてください!